50代からの”推し活”のすすめ|心の元気を取り戻した女性たちの体験談

「最近、毎日が同じことの繰り返しで張り合いがない」「子どもが巣立って、急にぽっかり心に穴があいた感じがする」――50代になると、こんな気持ちを抱える方は少なくありません。

実は、そんな日常に新しい風を吹き込んでくれるのが「推し活」です。アイドルや俳優、アニメキャラクター、スポーツ選手、はたまた歌舞伎や宝塚……好きなものを応援する活動は、10代や20代だけの特権ではありません。

この記事では、50代から推し活を始めて実際に「毎日が楽しくなった」「気持ちが前向きになった」という女性たちのリアルな声を交えながら、推し活がもたらす心身への好影響や、無理なく始めるための具体的なステップをお伝えします。

  1. そもそも「推し活」って何?50代女性にこそ合う理由
    1. 推し活の意味と広がり
    2. 50代女性と推し活の相性が良い3つの背景
  2. 心の元気を取り戻した女性たちの体験談
    1. ケース1:韓国ドラマから始まった推し活(Aさん・54歳)
    2. ケース2:宝塚歌劇がくれた”自分だけの時間”(Bさん・57歳)
    3. ケース3:地元のプロ野球チームを応援して友達ができた(Cさん・52歳)
  3. 科学的にもうなずける推し活の健康効果
    1. ドーパミンとオキシトシンが”元気の源”
    2. 50代女性のメンタルヘルスと推し活の関係
    3. 社会的つながりと孤独感の軽減
  4. 今日から始められる推し活5ステップ
    1. ステップ1:まずは”気になる”を大切にする
    2. ステップ2:まずは無料コンテンツで深掘りする
    3. ステップ3:ひとりで楽しむ時間を確保する
    4. ステップ4:同じファンとゆるくつながる
    5. ステップ5:イベントに足を運んでみる
  5. ジャンル別おすすめの推し活スタイル
  6. お金・時間・家族の目…よくある不安Q&A
    1. Q1. お金がかかりすぎないか心配です
    2. Q2. 家族に「いい年して」と言われそうです
    3. Q3. 体調が不安定で、イベントに行けるか不安です
    4. Q4. SNSの使い方がわからなくて不安です
    5. Q5. ひとりで推し活するのは寂しくないですか?
  7. 推し活を長く楽しむための5つのコツ
    1. コツ1:予算の上限を決めておく
    2. コツ2:推し活以外の自分も大切にする
    3. コツ3:推しが変わっても自分を責めない
    4. コツ4:SNSの距離感に気をつける
    5. コツ5:推し活で得た元気を、日常に還元する
  8. まとめ:50代からの推し活は、自分を取り戻す旅

そもそも「推し活」って何?50代女性にこそ合う理由

推し活の意味と広がり

「推し活」とは、自分が好きな人やキャラクター(=推し)を応援することで、日常に楽しみや生きがいを見出す活動全般のこと。コンサートに行く、グッズを集める、SNSで情報を追う、ファン仲間と語り合うなど、そのスタイルは実に多彩です。

ひと昔前なら「いい年して追っかけなんて」と言われがちでしたが、今の時代は違います。博報堂の調査でも、推し活をしている人の年代は幅広く、40代〜60代のいわゆる「大人世代」の割合が増え続けています。

50代女性と推し活の相性が良い3つの背景

では、なぜ50代女性に推し活がフィットするのでしょうか。3つのポイントがあります。

50代×推し活が合う理由

① ライフステージの転換期にいる
子育てがひと段落し、自分のために使える時間とお金が生まれ始めるタイミング。一方で、「空の巣症候群」と呼ばれるような喪失感を感じる方もいます。推し活はこの”心の空白”を前向きなエネルギーで埋めてくれます。

② 更年期の不調と向き合う時期でもある
50代女性の約56%が更年期関連の症状を自覚しているとされ、イライラや気分の落ち込み、疲労感に悩む方は多いものです。「推しのことを考えているときだけは気分が軽くなる」という声が後を絶たないのは、偶然ではありません。

③ 人とのつながりを求める気持ちが高まる
内閣府の全国調査(令和6年)では、相談相手がいないと答えた人が8.7%にのぼります。推し活を通じて生まれるファン同士のコミュニティは、自然なかたちで新しい人間関係をつくるきっかけになります。

心の元気を取り戻した女性たちの体験談

ここからは、50代で推し活を始めて生活が変わったという3人の女性の声をご紹介します。いずれも取材をもとに構成した体験談です。

ケース1:韓国ドラマから始まった推し活(Aさん・54歳)

コロナ禍で外出が減り、なんとなく始めた韓国ドラマにどっぷりハマったAさん。ある俳優の演技に心を撃ち抜かれ、出演作を片っ端から観るように。

「最初は”こんな年齢でキャーキャー言うなんて”って恥ずかしかったんです。でも、SNSで同年代のファンとつながったら、もう楽しくて楽しくて。ファンミーティングに初めて行ったときは、本当に胸が震えました」

更年期でイライラがひどかった時期と重なっていたそうですが、「推しの動画を見ている時間だけは、肩の力がすっと抜ける感覚がありました。主人にも”最近ごきげんだね”って言われるようになって」と笑います。

Aさんの変化

更年期のイライラが軽減 → SNSでファン仲間ができた → 韓国語の勉強も開始 → 「目標ができて毎日が忙しい!」

ケース2:宝塚歌劇がくれた”自分だけの時間”(Bさん・57歳)

義母の在宅介護が始まり、自分の時間はほぼゼロ。心も体も限界に近づいていたBさんが出会ったのが、宝塚歌劇でした。

「娘がチケットをくれたのがきっかけです。あの華やかな舞台を観た瞬間、日常の疲れが全部吹き飛びました。月に1回でもいい、”あの世界に浸れる時間がある”と思うだけで、毎日の介護をなんとか乗り越えられた」

地域包括支援センターに相談してショートステイを利用するようになり、観劇の日だけは完全に自分の時間にあてるようにしたそうです。

「介護を頑張っている自分へのご褒美です。罪悪感は最初ありましたけど、心のガス抜きをしないと続かないって、今はわかるようになりました」

ここがポイント

介護中の方にとって、推し活は「レスパイト(休息)」の一形態にもなり得ます。介護を続けるためにこそ、自分を回復させる時間が必要です。

ケース3:地元のプロ野球チームを応援して友達ができた(Cさん・52歳)

転職をきっかけに引っ越してきた先で、知り合いがほとんどいなかったCさん。地元のプロ野球チームの試合にふらっと行ったのが、すべての始まりでした。

「球場に行くと、隣の席の人と自然に話すんです。応援歌を一緒に歌ったり、いいプレーにハイタッチしたり。通ううちに顔なじみが増えて、今ではシーズン中は毎週のように一緒に観戦する仲間ができました」

50代になると、新しい友人関係をつくるのは容易ではありません。でも、「同じものが好き」という共通点があるだけで、人と人はこんなにも自然につながれる。Cさんの体験は、それを教えてくれます。

Cさんの変化

引っ越し先で孤立気味 → 球場通いでファン仲間ができた → 休日の過ごし方が激変 → 「人と話すって、こんなに楽しかったんだ」

科学的にもうなずける推し活の健康効果

「好きなものを応援すると元気になる」――これは単なる感覚論ではなく、心身のメカニズムとも合致しています。

ドーパミンとオキシトシンが”元気の源”

好きな対象を見たり応援したりするとき、脳内ではドーパミン(やる気・快感に関わる物質)やオキシトシン(幸福感・絆に関わる物質)が分泌されると言われています。推しの動画を見て気分が上がるのは、この脳内の仕組みが働いているからです。

50代女性のメンタルヘルスと推し活の関係

厚生労働省の国民生活基礎調査(2022年)によると、50〜59歳女性の心理的ストレス指標(K6)で「10点以上(要注意レベル)」に該当する方は約11%。つまり、10人に1人は中等度以上の心理的な不調を抱えているということです。

推し活がこうした不調の”治療”になるわけではありませんが、日常に楽しみや目標があることは、気分の安定やストレスの軽減に寄与すると考えられています。実際に、前述のAさんのように「推しのことを考えている時間は気持ちが楽になる」という声は非常に多いのです。

社会的つながりと孤独感の軽減

内閣府の孤独・孤立の全国調査(令和6年)では、UCLA孤独感尺度で最も強い孤独感(10〜12点)を示す人が6.5%存在します。50代女性に限ると、子の独立・介護開始・就労形態の変化などが重なり、社会的なつながりが薄くなりやすい時期です。

推し活を通じたファンコミュニティは、「同じものが好き」という共通基盤をもとに自然発生的に生まれる人間関係であり、孤独感を和らげる効果が期待できます。

推し活の主な心理的効果まとめ

気分の向上:ドーパミン・オキシトシンの分泌による快感と安心感
目標意識:「次のイベントまでに〇〇する」という前向きな計画性
社会的つながり:ファン仲間との交流による孤独感の軽減
自己肯定感:「好きなことを楽しんでいる自分」を受け入れる感覚
認知機能の活性化:新しい情報の収集、SNS操作、語学学習などで脳が刺激される

今日から始められる推し活5ステップ

「推し活に興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」という方のために、無理なく始める方法を5つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1:まずは”気になる”を大切にする

テレビで見かけた俳優の笑顔が忘れられない。ラジオから流れた歌声にときめいた。そんな小さな「おっ」という感覚を見逃さないことが、推し活のスタートラインです。

「好き」は誰かに説明する必要はありません。理由なんてなくていいのです。心が動いたら、それはもう立派な”推しの芽”です。

ステップ2:まずは無料コンテンツで深掘りする

YouTubeの公式チャンネルやSNSの公式アカウントをフォローして、まずは無料で楽しめるコンテンツから入りましょう。有料のファンクラブやグッズは、もっとハマってからでも遅くありません。

ステップ3:ひとりで楽しむ時間を確保する

推しの動画を観る時間、音楽を聴く時間、SNSをチェックする時間。1日15分でもいいので、”推しタイム”を意識的に作ってみてください。家事の合間、寝る前のひととき、通勤電車の中――隙間時間で十分です。

ステップ4:同じファンとゆるくつながる

X(旧Twitter)やInstagramで同じ推しを応援している人を見つけてみましょう。最初はフォローして投稿を眺めるだけでOKです。慣れてきたら「いいね」を押したり、コメントを残したり。自然な形で交流が生まれていきます。

「SNSは苦手」という方は、地域のカルチャーセンターや公共施設で開かれている同好会を探してみるのも手です。

ステップ5:イベントに足を運んでみる

ライブ、舞台、展覧会、スポーツ観戦……「現場」に行く体験は、推し活の醍醐味です。最初は少しドキドキするかもしれませんが、「行ってよかった!」と感じる人がほとんど。体験談のBさんのように、自分へのご褒美として計画を立てるのがおすすめです。

メモ

ステップ1〜3は自宅で完結するので、体調が安定しない日でも無理なく楽しめます。更年期の症状で外出が億劫な日は、おうち推し活を基本にして、調子のいい日にステップ4〜5へ進んでみましょう。

ジャンル別おすすめの推し活スタイル

「何を推せばいいかわからない」という方のために、50代女性に人気のジャンルと、それぞれの楽しみ方をまとめました。

ジャンル 推し活の例 おすすめポイント 費用の目安(月額)
韓国ドラマ・K-POP ドラマ視聴、推しの出演作巡り、ファンミーティング参加 サブスク配信で自宅から始められる。韓国語学習にもつながる 0円〜数千円
宝塚歌劇・ミュージカル 観劇、お茶会参加、DVDコレクション “非日常”の華やかさで気分転換。一人でも行きやすい 数千円〜1万円程度
スポーツ観戦 球場・スタジアムで応援、選手のSNSチェック 身体を動かす応援で健康的。仲間ができやすい 数千円〜
アニメ・漫画 作品視聴、推しキャラのグッズ収集、聖地巡礼 世代を超えたコミュニティが活発。旅行のきっかけにも 0円〜数千円
歴史・文化 推し武将・偉人ゆかりの地巡り、大河ドラマ考察 知識欲が満たされる。旅行と組み合わせやすい 0円〜実費
音楽(邦楽・洋楽) ライブ参戦、楽器演奏、カラオケ 声を出す・身体を動かすことでストレス発散効果大 0円〜1万円程度

もちろん、ここに載っていないジャンルでもまったく問題ありません。大切なのは「自分の心がときめくかどうか」、ただそれだけです。

お金・時間・家族の目…よくある不安Q&A

推し活に興味を持ちつつも、「でもやっぱり…」と踏み出せない方から多く寄せられる疑問にお答えします。

Q1. お金がかかりすぎないか心配です

推し活は、お金をかけなくても楽しめます。YouTubeやSNSで推しの活動を追ったり、テレビの出演番組をチェックしたりするだけなら費用はゼロ。あらかじめ「推し活用の月予算」を決めておくと、罪悪感なく楽しめます。

50代は老後の資金準備も視野に入る時期です。金融経済教育推進機構の調査(2024年)では、老後の生活を「心配」と答えた人が合計80.0%にのぼっています。推し活を楽しみつつも、家計のバランスは意識しておくのが安心です。

Q2. 家族に「いい年して」と言われそうです

ご家族の反応が気になる、という声は本当に多いです。ただ、実際に始めてみると「お母さんが楽しそうにしているのは嬉しい」「ごきげんでいてくれるほうがいい」と受け入れてくれるケースが大半です。

体験談のAさんも、最初はこっそり楽しんでいたそうですが、今ではご主人が「次のファンミーティングはいつ?」と聞いてくるほど。好きなことで輝いている姿は、家族にも良い影響を与えるものです。

Q3. 体調が不安定で、イベントに行けるか不安です

更年期の症状は日によって波があるもの。「行ける日に行く」「無理な日はおうちで推し活」というスタンスで大丈夫です。ライブ配信やオンラインイベントも増えているので、自宅からでも十分に楽しめます。

また、症状がつらい場合は、まず婦人科やかかりつけ医に相談することをおすすめします。推し活は心の支えにはなりますが、体の不調そのものを解決するのは適切な医療です。

Q4. SNSの使い方がわからなくて不安です

最初から完璧に使いこなす必要はまったくありません。まずはアカウントを作って「見る専門」で始めれば十分です。わからないことは、お子さんやお孫さんに聞いてみるのもいいですし、地域の公民館やスマホ教室で教えてもらうこともできます。

「推しのために新しいことを覚える」という動機は、デジタルリテラシーを向上させる強力なエンジンになります。

Q5. ひとりで推し活するのは寂しくないですか?

むしろ、ひとりだからこそ自由に楽しめる側面もあります。誰にも気兼ねなく、好きな時間に好きなだけ浸れるのは贅沢なことです。そして不思議なもので、ひとりで推し活を続けていると、自然と同じ趣味の人とつながっていくもの。焦る必要はまったくありません。

推し活を長く楽しむための5つのコツ

せっかく始めた推し活を、無理なく長く続けていくためのヒントをまとめます。

コツ1:予算の上限を決めておく

「推し活費は月〇円まで」と決めておくだけで、お金の不安から解放されます。グッズを買いたい衝動に駆られたときも、予算枠があれば冷静に判断できます。最近はフリマアプリで中古グッズをお得に手に入れる方法もあります。

コツ2:推し活以外の自分も大切にする

推しへの愛が大きくなるほど、のめり込みすぎてしまうことがあります。食事・睡眠・運動・健康診断など、日常の基盤を整えることは忘れずに。健康でいることこそが、長く推しを応援し続けるための最大の武器です。

コツ3:推しが変わっても自分を責めない

「推し変」(推しが変わること)は、ファンの世界ではごく普通のこと。心が動く対象は変化して当然です。「あのときハマったおかげで今がある」とポジティブに捉えましょう。

コツ4:SNSの距離感に気をつける

ファン同士の交流は楽しいものですが、ときにSNS上での意見の衝突や、推しに関するネガティブな書き込みに遭遇することもあります。心がザワザワしたら、通知をオフにしたり、一時的に距離を置いたりする勇気を持ちましょう。

コツ5:推し活で得た元気を、日常に還元する

推し活で気分が上がったら、その元気を家事や仕事、家族との時間にも活かしてみてください。「推しのおかげで今日も頑張れる」――そんな好循環が生まれたら、推し活は単なる趣味を超えた”暮らしの支え”になります。

大切なことは

推し活に正解はありません。誰かと比べる必要もありません。あなたが楽しいと思える範囲で、あなたのペースで。それが、50代の推し活を長く続ける最大の秘訣です。

まとめ:50代からの推し活は、自分を取り戻す旅

50代は、身体の変化、家族の変化、仕事の変化……さまざまな転換期が重なる年代です。厚生労働省の調査でも、50代女性の約31%が何らかの自覚症状を抱え、約43%が通院しながら日常を送っています。ストレスの原因も、仕事・家計・介護と多方面にわたります。

だからこそ、日常に「楽しみ」があることの意味は大きいのです。

推し活は、特別な才能も、たくさんのお金も、若さも必要ありません。必要なのは、「好き」という気持ちを自分に許すことだけ。

今日この記事を読んで、少しでも心が動いたなら――それは、もう推し活の第一歩を踏み出しています。

あなたの”推し”との出会いが、毎日に新しい彩りを添えてくれることを願っています。

タイトルとURLをコピーしました